高血圧はどのタイプ? 

皆様、こんにちは。西宮市の夙川グリーンプレイスにある藤本整形外科循環器内科クリニック、循環器内科、総合内科専門医の副院長です。急に肌寒くなり、体調がなんとなくすぐれないといった方もおられると思います。

寒くなってくると、血圧も夏に比べて高くなりやすいので、今回は高血圧のことについてお話をさせていただきます。最近は年齢により、高血圧の診断基準も変わってきておりますが、家庭血圧で 135/85mmHg 以上、診察室血圧では 140/90mmHg 以上とされています。本態性高血圧症には、①塩分の影響を受けやすいたタイプ(食塩感受性高血圧)と②そうでないタイプ(食塩非感受性高血圧) とがあります。

①食塩感受性高血圧には、まだ明確な定義や診断基準はなく、数値などから、自分が食塩感受性タイプかどうかを知ることはできません。

 ですが、高血圧の治療を受けている場合には、減塩によって顕著な血圧の改善がみられる方は、このタイプといえるでしょう。食事療法による効果が期待できるタイプともいえますが、同時にリスクも忘れるわけにはいきません。食塩感受性高血圧の場合、心臓や血管などにかかる負担が大きく、②食塩非感受性高血圧と比較すると、心臓病や脳血管障害を発症するリスクが約2倍以上になることが指摘されています。下記の1~5が食塩感受性高血圧に特徴ともいわれていますので、参考になさってください。

親の両方、またはいずれかが食塩感受性高血圧(遺伝しやすいとされています)

肥満気味である(肥満やメタボリックシンドロームの人は、食塩感受性タイプになりやすい)

中高年である(一般に加齢にともない可能性が高くなります)

腎臓障害がみられる(腎臓の機能低下と関連しやすい)

外食など塩分の多い食事が続くと、血圧が上昇しやすい(毎日の食事内容を記録しながら、家庭血圧を継続的に測定することにより、影響度を知ることができます)

 欧米の人と比較すると、日本人には食塩感受性高血圧が多いといわれます。まだ詳細なデータはありませんが、日本では高血圧患者の4割程度を占めると推定されています。
もし自分が食塩感受性タイプの可能性がある場合には、日ごろから塩分を6g・日に控える食事をされますとよいと思います。なお、血圧測定は起床時1時間以内の安静時と、就寝時の2回測定が望ましいといわれています。塩分制限はどのようにおこなっていけばよいか、または血圧が不安定なんだけど等々、ご気軽にご相談くださいませ。

血圧測定は、正常の方でも大切です。