階段動作で『痛み』を避ける方法

皆様、こんにちは。西宮市、夙川グリーンプレイス内にある藤本整形外科循環器内科、理学療法士の泉本です。

早速ですが今回はリハビリテーション室でよく聞かれる声について紹介します。

当院では膝関節に痛みを感じている患者様が多くいらっしゃいます。どんな場面で痛むのか?を必ず聞くのですが、一番多いのは階段の上り下りです。特に下りる時は痛くて膝に力が入りにくく怖い思いをしている方も多いです。実際の声では「手すりにしがみついてやっと下りれた」とか「怖いから階段は使わないようにしています」ということをおっしゃられています。痛みのある方はなんとか対応方法を考え、工夫をしながら克服しているようです。しかし、その際に足を運ぶ順番について気を遣われているでしょうか?どちらの足から出せばよいかを意識すると階段の上り下りの場面で「痛み」を避けれる可能性があります。

下の写真を例に説明します。サポーターを巻いている右膝が痛い患者様と仮定します。

階段を上がる時は膝が痛くない左足から上がります。そして、膝の痛い右足は同じ段(踏面)の左足にそろえます。その繰り返しです。痛くない足から上がって、痛い足は同じ段にのせるといった2足1段での上がり方です。階段を上がりきるのに時間はかかりますが、からだを持ち上げる瞬間には痛くない左足を使うことで「痛み」を軽減、避けることができます。

反対に下りる時は膝が痛い右足から下ります。このとき、体重を支えるのは痛くない左足です。あとに残った左足は痛い右足にそろえます。2足1段での下り方です。上がる時と同様に階段を下りきるには時間がかかりますが、一段ずつ下りる瞬間の「痛み」を避けることができ、「力が入らない」、「膝が抜けるようだ」といった怖い思いもしなくてすむと思われます。

とても古典的な指導方法として童謡『通りゃんせ』の歌詞の一節にある「行きはよいよい、帰りはこわい〜」という部分を利用して私たちは指導させてもらうことがあります。こちらの方が簡単で頭に残りやすいかもしれませんね。

階段動作は上下への重心移動が大きく伴う動作です。なによりも安全に行ってもらうのが大切です。痛みが強い場合は手すりやエレベーターなどがあれば無理せず利用しましょう。

今週半ばより寒くなってきました。服装を調節して快適に過ごしていきましょう。