筋トレを習慣に!

皆様こんにちは。西宮市、夙川グリーンプレイス内にある藤本整形外科循環器内科、理学療法士の泉本です。朝夕は寒くなり季節の変わり目を感じる日々ですが体調はお変わりありませんか?

早いもので来週月曜日から11月です。飲食店の時短営業も解除となり外食する機会が増えてくるのではないでしょうか。この一年も外出する機会が少なく、体力や筋力低下を感じられている患者様が多いと感じます。その最中でも以前にも述べた「ウォーキング」を健康のために行っている方は沢山おられ「今日は○○まで行ってきたよ」「休みの日は○千歩も歩けたよ」というご報告をいただくこともあり、とてもうれしく思っています。

今回は伝えたい点は有酸素運動である「ウォーキング」に加え「筋力の強化」にも取り組んでほしいということです。「歩く」ことは健康づくりにかかせませんが、それだけで全てが解決に至るわけではありません。長く元気に健やかに過ごしていくためには筋肉を強化して強いからだにしなければいけません。

様々な分野の研究報告では「筋トレ」を行うことで血圧低下、糖・脂質代謝の改善、全身性炎症の減少、抗動脈硬化、抗酸化ストレスといった複合的な効果を得られることが示唆されています。そうした結果が死亡率の軽減に繋がっていると推測されています。2017年には「筋トレ」を行うことでがんの死亡率も下げることが報告されています。

人間の筋肉のおおよそ7割は下肢に存在していると言われています。効率的に筋肉の量を増やし、かつ移動能力の維持・向上目的に下肢筋力の強化を行うことは、病気になりづらいからだをつくる近道と言えます。

ではどんな筋トレをすればいいのかですが、簡便なのは自己の体重を使用する方法です。下の写真にあるような「踵上げ」は簡単なので毎日の隙間時間を活用して習慣化しやすいのではないかと思います。これはふくらはぎの筋肉(腓腹筋とヒラメ筋=下腿三頭筋)を鍛えることになります。下腿三頭筋は姿勢を保持する抗重力筋としても重要な役割を持っています。歩行動作では前方への推進力発揮に必須である筋肉です。

また、ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」とも言われます。血液は重力の影響を受け、下肢にたまりやすくなっています。歩いたり運動をすると足の裏や足首、ふくらはぎなどの下肢筋の収縮が起こり、血液を上方へ押し上げてくれます。押し上げられた血液の行き着く先は心臓であり、出ていった血液が戻ってくることになります(静脈灌流)。このことからふくらはぎの筋肉は心臓の補助ポンプの役割があり「第二の心臓」と言われる理由です。

筋肉は姿勢保持や関節の安定性、動作の能力を維持するための力源としての役割はかかせません。しかし、単に強いか、弱いかといった力源としての機能・役割だけでなく健康を支える内臓器官としての役割・機能も備わっているのです。「歩く」に加えて簡単な「筋トレ」も健康づくりのメニューに加えて頂き、さらに健康なからだ作りに邁進されてはいかがでしょうか?