減量は安全に達成しましょう

こんにちは。西宮市、夙川グリーンプレイス、藤本整形外科循環器内科クリニック、理学療法士の泉本です。

 2月も半ばとなりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?感染症対策で外出を控えたりリモートワークが続いて巣ごもり生活となっていませんか?自宅時間が長くなると運動不足に加え、食べ物を必要以上に食べてしまい「体重が増えてしまった…」という患者様からの声をよく聞きます。「なんとか戻さないと!」という気持ちになっても運動や食事制限が上手くいかないことを経験をされた方も多いでしょう。

本日は「ダイエット」を簡単な計算式で考えてみたいと思います。昨今の美容・健康ブームから様々な「ダイエット」方法が紹介されており、なんらかの方法を試したことがあるのではないでしょうか。モデルや芸能人に憧れて過度な瘦せ願望を持つ人がいますが、必要以上に瘦せてしまうと体力や筋力、病気への抵抗力等が落ちてしまい健康を害する危険もあります。

日本語の『ダイエット』は「減量」の意味で使用されていますが、英語の『Diet』には「食生活、食習慣」の意味があります(英語で「減量」中は「on diet」と言います)。短期間で減量するために体に負担が大きい方法や誤った方法で行うと結局リバウンドを繰り返します。リバウンドは単純に体重だけが元に戻るわけでなく、その度に筋肉の割合が減り、体脂肪が増えてしまいます。日々の食事を正しく規則的に摂ることは適正な体重を維持していくために必須項目と言えるでしょう。

では上手に減量を達成するにはどうすればよいでしょうか?基本は心身に負担とならずに続けられる食事内容への変更、生活の中で運動する習慣をつけることです。大まかな減量の目安としては1ヶ月で1kgが適当です。1ヶ月で体脂肪1kgを減らすためにはどうすれば良いか?順番に考えてみましょう。

脂肪を1g消費させるのに必要なエネルギーは約9キロカロリーです。脂肪1,000g=1kgを消費させるエネルギーは1,000倍の9,000キロカロリーです。そして脂肪組織の中では大まかに8割が体脂肪(残り2割は水分や様々な物質)となるので0,8倍とし7,200キロカロリーが脂肪を消費するのに必要となります。1ヶ月を30日とすると7,200キロカロリー➗30日で1日あたり240キロカロリーとなります。この1日あたり240キロカロリーを減らしていければ1kgの減量を達成できることになります。

摂取するエネルギーが消費するエネルギーを上回ると過剰なエネルギーが体内に蓄積されてしまいます。反対に摂取エネルギーよりも消費エネルギーが上回ると不足したエネルギーをまかなう為に体脂肪が使われやすくなります。その結果として体重が減って瘦せることになります。摂取を抑えるのか、消費を多くするのか、両方を混ぜるのか、やり方は色々ですが確実に実行すると理論上、結果は表れることになります。

体脂肪は体内に蓄積された脂肪です。蓄積された場所で「皮下脂肪」、「内臓脂肪」と分けられて呼ばれます。エネルギーの貯蔵、体温の維持、内臓の保護、ホルモンバランスを整える等、体にとって大切な働きをしています。ダイエット中、体脂肪は悪モノのように思えてしまいますが人間が生きていく上で欠かせないものです。無理なダイエットによって脂肪率が極端に少なくなってしまうと低体温やホルモンバランスが崩れてしまう恐れもあります。

いかがでしょうか?上記の計算は大まかですが一つの目安になると思います。1日あたりの必要分を算出して減量していく手助けになれば幸いです。