「体幹」ってよく聞くけども‥


皆様こんにちは。西宮市、夙川グリーンプレイス内、藤本整形外科循環器内科クリニック、理学療法士の泉本です。寒い日が続いていますね。家からも出にくいと思いますが体は動かせていますか??

今日はタイトル通り「体幹(たいかん))」の説明です。皆様も一度はこのワードを聞いたことがあると思います。筋トレ、姿勢調整、スポーツのパフォーマンスアップなどトレーニング分野では無視できない部分です。

この『体幹』ですが、どの程度知っていますか?なんとなく知っているけれど‥正確には知らない…疑問もある‥という方が多いのではないでしょうか?

「体幹」は四肢(左右手足)と頭部以外の胴体部分を指します。字の通り人体の「幹」の部分にあたります。「幹」と言っても木のように安定して動かないという訳ではありません。人体の「幹」はそれ自体も自在に動けないといけません。そして、体幹からのびている手足を自由に動かせるように安定感も求められます。

次に「体幹」の構造についてです。下図のとおり、まず脊柱と骨盤を合わせた骨組み(フレーム)があります。その骨組みの中に「胸腔」と「腹腔」という2つの空洞があります。2つは上下の位置関係になっており胸の部分が「胸腔(きょうくう)」、腹の部分が「腹腔(ふくくう)」といいます。「胸腔」は胸椎、肋骨、胸骨で構成された骨格である「胸郭」に囲まれた空間です。各肋骨の隙間は肋間筋、筋膜で覆われており、胸腔内には心臓や肺などの臓器がおさめられています。

胸腔と腹腔の境目はちょうどみぞおちの高さにあり、息を吸う為の主動作筋「横隔膜」が境界となっています。横隔膜は胸腔にとって底面であり腹腔にとっては天井になります。そして腹腔の底面は骨盤になります。胸腔との大きな違いとして腹腔には横隔膜と骨盤の間のスペースに胸郭のように骨格構造はありません。
代わりに腹腔を周囲で支えているのは筋肉の壁です。横隔膜(腹腔にとっての天井部分)のほかにも腹横筋(側面、周囲)、多裂筋(脊柱近くの後面)、骨盤底筋群(底面)といった深層部のインナーマッスルが腹腔を形成しています。腹腔の内部には小腸や大腸などの消化管や肝臓、膵臓などが入っています。寝ている状態から体幹を起こす腹筋運動では腹部に力が入るのでイメージ的に腹腔のみを「体幹」と思いがちです。腹腔と胸腔は横隔膜を介して連動するので2つをまとめて「体幹」と捉えます。

「体幹」と「四肢」の関係性はアームの長いショベルカーやクレーンを想像します。土台部分がしっかりしてこそ力を発揮できる!という感じです。「体幹」をどうやって鍛えていくのかは次回以降で少しずつ進めていきますのでまたご一読ください。よろしくお願いします。