耐糖能異常って?境界型糖尿病って?

皆様、こんにちは。西宮市の夙川グリーンプレイスにある藤本整形外科循環器内科クリニック、循環器内科、総合内科専門医の副院長です。先月の11月14日は世界糖尿病デー、11月は糖尿病予防月間でした。年末年始にかけてどうしてもお食事が過食になりがちですが、今回は耐糖能異常、境界型糖尿病についてです。

 健康診断で、”いわゆる糖尿病の一歩手前です”と言われるのは空腹時血糖が110-126㎎/dl (126以上は糖尿病の疑いが濃厚となります)、HbA1c 6.0%以上6.5%未満の方とざっくりといいます。なお、HbA1cとは、HbA1cと糖化ヘモグロビンがどのくらいの割合で存在しているかをパーセント(%)で表したもので、過去1~2ヶ月前の血糖値を反映しますので、当日の食事や運動など短期間の血糖値の影響を受けません。

 さて、耐糖能異常の状態では体内のインスリン量は正常でしょうか?

  →残念ながら、正常ではありません。実は、耐糖能異常と言われているとき体の中のインスリン量は馬車馬のように頑張って膵臓から過剰分泌され、血糖値をもとに戻そうとしています。図2をみていただくとおわかりのように、耐糖能異常の状態が体内でのインスリン量のピークでありあとはインスリン量は減る一方、その状態が5年以上続くと糖尿病が発症されています。つまり、耐糖能異常の状態から糖尿病は始まっているのです。

 耐糖能異常、境界型糖尿病は侮れません。ですが、お食事、運動を見直すことで、再び正常に戻れる大事な時期でもあります。当クリニックでは、現在の体重から理想体重を求め、運動の種類によりカロリーを計算し、適正な食事療法と運動療法を提案させていただきます。もし、少しでも気になることがございましたら、気軽にご相談くださいませ。