小学校健診にいってまいりました。

皆様、こんにちは。西宮市、夙川グリーンプレイス内、藤本整形外科循環器内科クリニック副院長の藤本(前田)です。4,5月は学童の健康診断シーズンで、小児科の先生に交じって、循環器内科の私も健診をさせていただきました。女性医師であるため比較的高学年の女の子が担当いたしました。緊張の面持ちの子供たちに、スポーツ何好きなの?バレエにうちこんでいるの?すごいねえ、といった一言だけのお声がけですが、ふっと緊張がゆるみ笑顔になってもらえるとよかったなあと思いながら、健診をいたしました。

 さて、心電図異常、心雑音異常などのご相談をいただく機会が増えてまいりました。

 ①学校心臓検診で心雑音が見つかった場合は、無害性心雑音(心臓に異常がない)のことが多く、症状がなければ急ぐ昼用はありません。しかし一部には後天性新心疾患(心筋症や弁膜症など)のこともありますので、心雑音を指摘されたら、一度は心エコー検査を受けましょう。新生児・乳児期に心疾患の診断を受けていなければ、ほとんど場合は異常がありません。しかしながら、心房中隔欠損症という先天性の心臓病が学校心臓検診で見つかったという報告は多くありますので、一度は心エコー検査で「異常がない!」のを確認することをお勧めします。

 無害性心雑音→心臓の病気がないのに聞こえる雑音で心雑音の大半はこれにあたります。雑音がきこえる理由はいろいろありますが、心臓の血流が心臓の構造分にぶつかって生じる音であるといわれています。Still雑音とよばれ、聴診器で聴くとぶーん、ぶーんと弦楽器の弦をはじいたような音が聞こえたり、静脈コマ音といい、経静脈を流れる血液が少し乱れた時に聞こえる、心雑音です。座っているときに聞こえ、横になると聞こえなくなります。いずれも、大半が大人になると聞こえなくなる人が多く、問題ありません。

 病的雑音→心臓の一部に穴があいていたり、弁に異常があったり、心不全や、心筋症など心臓に異常がある場合の雑音です。収縮期雑音、拡張期雑音、ギャロップ音、等々あり精密検査(心電図、心臓超音波検査等)。

 次に②心電図異常や、不整脈です。小児期の心電図の意義は、先天性心疾患や後天性心疾患の合併症、重症度、不整脈の診断です。最近ではQT延長症候群や、Brugada症候群などの突然死のリスクのある不整脈も新たな疾患として加わってきました。心電図異常には、頻脈性不整脈、徐脈性不整脈、脚ブロック、ST-T波形異常などがあります。無症状から、動悸の症状を認める心電図異常、心臓突然死となる可能性のある心電図異常まで様々です。心電図異常から発見される心臓構造異常や心筋症もあり、心電図、心臓超音波検査(心エコー)にて検査をいたします。

 学校検査で心臓に異常があるといわれたら、非常に心配に思われることでしょう。小学校1年生で言われましたら、これからの体育の授業、水泳授業で、心臓に負担をかけてよいかどうか判断しなければなりません。「異常がない」ということを確認して、安心して小学校生活を送っていただけるよう、お手伝いをさせていただきますので、いつでもご相談ください。