「天候」と関節痛の関係

皆様、こんにちは。西宮市、夙川グリーンプレイス内、藤本整形外科循環器内科クリニック、理学療法士の泉本です。梅雨入りして今週は雨の日が多くなりそうです。いつ雨が降ってきてもいいように折り畳み傘の携帯が必須ですね。

雨天や曇りなど天気が悪い日が続くと「関節が痛い」、「体の調子が悪い」、「頭痛がする」と言われる患者様が当リハビリテーション室でもいらっしゃいます。なぜ、天気が悪いと関節が痛むのでしょうか?


天気によって体に不調がでることは以前より「気象病」と言われてきました。主に不調を訴えるのは低気圧となる雨天や曇りの時が多いですが、気圧変化という点に注目すると高気圧時にも不調を訴えられる方はいるようです。

気圧変化によって人体はストレスを感じ、それに抵抗するために自律神経が活性化します。自律神経には活発・活動的になる交感神経と(入浴時のような)リラックス状態になる副交感神経の2系統がバランスをとっていますが、調整がうまくいかなくなると不調が生じてしまいます。

雨の日に関節が痛んだり、違和感を感じるのは交感神経が活発になることで痛みの神経を刺激したり、血管が過剰に収縮したりして、血管周囲にある神経を興奮させてしまう可能性があるようです。また古傷が痛むのは脳が過去の痛みの記憶を呼び起こすとも一因と言われています。病態が改善しているにも関わらず痛みを感じてしまう場合は脳自体が変容しているのかもしれません。


以前よりリウマチを患っている方は天気が悪いと関節痛が生じたり、疼痛が悪化したり、雨天が近づく状態がわかるということは知られていました。国内では関節の「腫れ」や「痛み」の指標の臨床データと気象データを用いての研究で、「気圧」との間に負の相関(気圧が低いほど関節の腫れや痛みの指標が悪化すること)が見出されています。私自身もリウマチ患者さんから実際、「雨の日は関節が痛い」という訴えを聞いたことがあり、研究結果で立証される形となりました。

いかがでしょうか。まだはっきりしないことも多いですが、実際に天候変化(気圧)が関節痛に影響することはわかってきました。身体のどこかに「痛み」を感じた際には検査などをして原因を探ることが必要ですので、悩んだら当院クリニックへお越しくださいませ。