「腹圧」ってなんのこと?
皆様こんにちは。西宮市、夙川グリーンプレイス内、藤本整形外科循環器内科クリニック、理学療法士の泉本です。今週は梅雨入りとなるでしょうか。雨天だと気持ちが重くなりますね。そんなときこそしっかり姿勢を正して行動しましょう。今日は姿勢に大いにかかわる「腹圧」の話です。
以前に紹介した体幹筋トレーニング効果のひとつに姿勢改善効果があります。姿勢の善し悪しには「腹圧」が大きくかかわります。「腹圧」とは腹腔内部にかかる圧力のことをいいます。骨格が姿勢を保つうえでの基本構造ですが骨盤と胸郭の間は空白スペースがあります。その空白スペースには体幹筋群があり収縮により「腹圧」を高めることで、コルセットのように体幹下半分を引き締めます。体幹筋群が機能的に働くことで姿勢を維持する能力が高くなります。
脊柱は緩やかなS字状カーブとなっています。「腹圧」によって体幹下半分が引き締まるとそのカーブは保たつことが可能です。筋力低下などで体幹筋機能が低下していると「腹圧」が上がりません。締まりがなく腹腔が膨らんでしまい骨盤が前傾し、腰椎の前弯も強くなってしまいます。そうなるとバランスをとるために代償的に腰背部が丸くなり、不良姿勢となってしまいます。
逆に「腹圧」を高めることができると腹腔がぎゅっと圧縮されて骨盤が正しく後傾して下腹部が引っ込みます。さらに「腹圧」により体幹前面から押されて腰椎の前弯も改善されます。腰と背中も伸びて身長も少し高くなります。
では腹圧を高めるにはどうすればよいかですが…。腹圧を高めるとなるといわゆるお腹の前の筋肉を力一杯へこませてへこませる運動が頭に浮かびます。しかし、腹筋の強化=腹圧の強化ではありません。腹圧は正面から両サイドをカバーする腹横筋、天井部分にあたる横隔膜、底面にあたる骨盤底筋群、そして背中側をカバーする多裂筋という上下、前後、左右にある4大インナーマッスルです。単にお腹をへこませても横隔膜や骨盤底筋群などの力が弱ければ、弱いところから圧力が抜けて腹腔内圧は高くなりません。
4大インナーマッスルはバランスよく強化することが大事です。姿勢を改善するためには体幹筋トレーニングを容易な運動から難易度の高いものへ段階的に行っていくことが必要となります。具体的なトレーニングはこのblog内、または当院リハビリテーション室へご相談ください。