寝ている時の姿勢も大事!
皆様、こんにちは。西宮市、夙川グリーンプレイス内、藤本整形外科循環器内科クリニック、理学療法士の泉本です。今年も最終月の12月となり本格的な寒さになってきました。感染症対策、体調管理は万全でしょうか?
今回も当院患者様から聞かれる声について紹介いたします。「朝、目覚めたら膝が痛い」という方が複数人おられます。何か対応策がないか質問された時、まずこちらが尋ねるのは寝ているときの姿勢です。
一例として変形性膝関節症により痛みがあり、膝が完全に伸びない方を想定します。
膝が伸びていないと床面と身体(膝裏面)の間に隙間が空いてしまいます。この時、膝裏面の下にクッションやタオル等を介在させ伸びていない足を下から支えてあげるとポジションが安定します。接触面が大きくなり安定すると足の重みを委ねることができ、膝周囲だけでなく足全体に余計な力が入りません。
逆に膝が曲がっている状態で接触面が少ないと左右どちらかに足は倒れてしまいます。傾いた膝関節は痛みを生じやすい格好になりますし、傾いた足全体の重みで骨盤〜腰椎、その周囲の筋にも影響することで痛みに繋がっている可能性があります。膝が完全に伸びにくい方は股関節の動きも小さくなってしまいがちです。股関節の動きが小さいことでも骨盤の傾きに影響し、それに続いて腰椎にも負担を掛けてしまいます。
実際にクッションやタオル等を使用してみると足の位置が安定して余計な力が入っていない感覚を実感できます。背中や踵の骨の出っ張りが痛い場合には、クッションやタオルを入れて床面と身体の隙間を埋めることで圧の分散(除圧)もはかれます。
人は寝ている時、無意識に姿勢変化を行っています。病院や施設内で身体を動かせない患者様の場合、スタッフが2時間毎の体位変換を実施しています。そうしないと骨が出っ張っている仙骨や肩甲骨、踵、後頭部などに圧が集中してしまい、皮膚にいわゆる「褥瘡」や「床ずれ」を起こしてしまうからです。また骨の出っ張りに関係なく同じ姿勢が続くと接触面の筋の緊張も高まってしまい寝心地も悪いものです。
私たちの睡眠時間が7〜8時間であれば一日の約3分の1に相当します。もっと極端に表現すると人生の約3分の1が睡眠時間となってしまいます。睡眠の質を良くする為に私自身ももっと注意を払いたいと思っています。起床時に「膝が痛い」という方は一度試してみてはいかがでしょうか。