体幹部分が鍛えにくい理由

皆様こんにちは。西宮市、夙川グリーンプレイス内、藤本整形外科循環器内科クリニック、理学療法士の泉本です。

体幹筋トレーニングを前回までいくつか紹介してきました。しかし、体幹部の筋肉は鍛えるのが少し難しい場所といわれています。その理由の一つとして体幹筋は「神経支配比」が大きく、意識して動かしにくいからです。

筋肉は筋線維という細長い細胞が集まっています。その筋線維には運動ニューロンの本体(細胞体)から枝分かれした神経線維がついています。1個の運動ニューロンは数十本から1000本近くの筋線維を支配しています(1個の運動ニューロンが支配する筋線維の数の大小を「神経支配比」といいます)。「神経支配比」は筋肉によって違い、手足のように細かい動きが必要な場所では支配比が小さく、筋肉をより細かに調整できます。対して体幹部分のように大まかな動きを行う筋肉では「神経支配比」が大きく、微調整するのが難しいのです。鍛えている部位を意識し注意を向けて行うのが筋トレの基本です。体幹部分の筋肉は「神経支配比」が大きく意識しにくい為、鍛えにくいとされています。


ピアノ演奏やスマホ操作ができるのは手指の神経支配比が小さく筋線維を細かく操れるからです。
体幹部分の筋肉は支配比が大きく大まかにしか動かせず意識もしにくいという特徴があります。

次にもうひとつの理由として、体幹部分の筋肉はウォーミングアップをしにくいという点です。筋肉は血行がよくなると温まり活動しやすくなります。手足は運動範囲も広く筋肉はダイナミックに収縮・弛緩するので筋肉のポンプ機能により血行がよくなり筋肉自体の温度が高まりやすくなります。しかし、体幹部分の可動範囲は手足のように大きくありません。ダイナミックに動かしにくい為、筋肉のポンプ機能も働きにくく筋肉の温度も上がりづらくなっています。

体幹筋を鍛える場合は入念にウォーミングアップをして柔軟性も確保し、動きやすい状態にしておかないと傷めてしまう恐れがあります。鍛えにくいとは言っても注目され様々なトレーニング方法が紹介されています。継続してしっかり筋収縮を反復すれば十分な筋肉への刺激となっています。食事等も含めて効果的に行えば必ず「筋トレ効果」は上がりますので、まずは運動を習慣化するところからはじめましょう!