夏の運動不足を改善しましょう  腰痛対策の筋トレ編

皆様こんにちは。西宮市、夙川グリーンプレイス、藤本整形外科循環器内科クリニック、リハビリテーション室です。まだまだ暑い日が続きますね。夏バテはしていませんでしょうか。

本日は前回の腰痛対策のストレッチに続いての筋力強化編です。

腰痛の原因は様々ありますが「筋力低下」が腰痛の一因になることは知られています。体幹筋の強化を行うことはヒトの軸となる脊椎への負担を軽減し、痛みの改善も期待できます。主に鍛えたい筋肉は、「腹筋群」と「背筋群」です。今回は腰痛の型の違いで行う簡単なトレーニング方法を紹介します。

まずはどんな時に腰が痛いか簡単に評価をしてみましょう。前かがみで腰痛を自覚する場合は『前屈型』腰痛症とされます。痛みがひどい場合には腰椎椎間板症や腰椎椎間板ヘルニアの可能性があります。

一般的に椎間板性腰痛は前かがみで痛みが生じます。前にかがむと椎間板が後方へ押し出されるからです。「背筋力」が弱い人の場合、適正なアライメントを保つことが難しく前かがみの姿勢となりがちです。そのため、椎間板性腰痛でお悩みの方は背筋群を強化しましょう。背筋力を向上させることで前屈姿勢を回避させ、体幹部分を直立位に保てれば椎間板性腰痛の軽減が期待できます。下の写真のようにうつ伏せ状態から頭頚部を持ち上げるようにして背筋群に刺激を行いましょう。負担がかかり過ぎないように両手を床面に接地させ頭を持ち上げる補助として使用してもOKです。

前屈では椎間板を後ろに押し出す力が加わります。後屈では椎間関節が圧縮される力が加わります。

反対に腰部を後ろに反って痛みがある場合は『後屈型』腰痛症とされ、椎間関節由来であることを推測します。後ろに反ることで椎間関節が圧迫されるからです。痛みがひどい場合は腰部脊柱管狭窄症、椎間関節症の可能性があります。

後ろに反って痛む椎間関節性の腰痛には腹筋トレーニングが大切です。しかし、古典的な腹筋運動(上体起こし)では腰への負担が大きくなり、場合によっては状態が悪化することもあります。そこでおすすめしたいのが、「寝たまま行う腹筋運動」です。腰部への過度な負担を抑えつつ腹筋を鍛えられますので腰を反って痛みのある方はぜひお試しください。

いかがでしょうか。前かがみになっても後ろに反っても疼痛がある場合は「混合型」として分類されます。他にもMRIやレントゲンに映らない筋筋膜性腰痛の場合もあり簡単には解決に至らないケースも多いです。リハビリテーションとしては痛み軽減の為に、過剰に働き過ぎている筋肉には緊張を緩和し、逆に働きが弱く低緊張で他の部位に負担をかけている筋肉には強化をはかっていきます。そして、その先には姿勢の改善や動作の安定化を目指します。

今回の運動はいずれも自宅で簡単に実践できるものです。痛みが起こる簡単なメカニズムと一緒に参考にしていただければと思います。腰痛にお悩みの方は一度当院へご相談くださいませ。