足部の捻挫は繰り返しに注意!

皆様こんにちは。西宮市、夙川グリーンプレイス、藤本整形外科循環器内科クリニック、理学療法士の泉本です。
花が沢山咲いて良い季節ですが、気温が安定せず服装の調節に気を遣いますね。体調は崩されていませんでしょうか。

当院のリハビリテーション室では足部を捻挫した患者様が多く来院されています。日常生活や運動最中で足を捻って痛めたことはありませんか?足首の捻挫の中で一番多いとされるのが「内半(ないはん)捻挫」です。

では、どうして内半捻挫が多いのでしょうか?それには理由があります。

まず足関節(距腿関節)の構造を理解する必要があります。骨の位置関係に注目すると「くるぶし」は外側と内側の高さに違いがあります。外果(外くるぶし)と内果(内くるぶし)では、外果の位置は内果の位置より低くなっています。
足関節(距腿関節)の内がえし方向の運動は内果の下にスペースが存在するため動きやすい構造になっています。反対に外がえし方向の運動では低い位置にある外果が邪魔になってあまり動くことができません。これが、内反捻挫をしやすい理由の1つです。

医学書院 「プロメテウス 解剖学アトラス 解剖学総論 運動器系」より

次に靭帯に着目します。靭帯は骨と骨をつなぎとめて関節が過剰に動いてしまうことや、骨の関節面が極端にずれてしまうことを防ぐ役割があります。靭帯自体は皮膚や筋肉と違い、伸びにくく硬い強靭な組織です。
足関節の外側には前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯があります。「内反捻挫」で特に損傷しやすいのは、前距腓靭帯と踵腓靭帯です。

一方、内側には三角靭帯という強固な靭帯がついています。内側の三角靭帯に比べ、外側靭帯の強度は弱く、関節の動きが許容度を超えてしまうと容易に損傷してしまいます。これが「内反捻挫」が多い2つ目の理由です。

医学書院 「プロメテウス 解剖学アトラス 解剖学総論 運動器系」より

一度捻挫で損傷してしまうと「靱帯が伸びる」と表現されるように関節は緩くなりがちです。損傷したときと似たような動きに対しての制動機能も弱まっている状態です。

受傷程度の差はありますが、痛みが治まって回復したと思っても同じ部位で捻挫を繰り返してしまうことがあります。その場合は損傷した靭帯に負担となる動作パターンや体の使い方に問題点があるかもしれません。

足の使い方が悪いまま経過すると変形や膝関節の痛みにも繋がる場合もあります。捻挫は適切な治療、リハビリテーションが必要な運動器疾患です。足部は歩行移動する時に唯一、地面と接する場所です。姿勢や動き、パフォーマンスに大きく影響します。捻挫のみならず足部に悩みのある方は一度当院へお越しくださいませ。