肩関節周囲炎について

こんにちは。

2月16日から西宮市、夙川グリーンプレイス、藤本整形外科循環器内科クリニック、リハビリテーション室に入職しました理学療法士の興梠智子です。

私は病院勤務が長かったのですが、出会う患者様のリハビリ治療をさせていただく度に大きな病気になる前に理学療法士に出会えていたら正しく疾患予防が出来ていたのではないのかと思う患者様も多く、患者様のリハビリ治療に向き合いながら考えていました。

今回ご縁があって藤本整形外科循環器内科クリニックに来ました。

整形外科の痛みやスポーツ・日常生活の動作や循環器疾患の生活習慣や全身持久力・体力について皆様と共に向き合いながら楽しい生活を末永く過ごせられたらと思っています。

お体のお悩み色々と教えて下さいね。どうぞよろしくお願い申し上げます。

急性期病院では整形外科の術後の股関節や脊髄について考える事が多かったのですが、就職して1週間♪♪。

肩の疼痛のある患者様が多いので驚きました。

安静時は無理のないようにしてその後、回復期は姿勢の工夫やストレッチの方法で随分変わります。

一緒に向き合って考えていきましょう。

今回は肩の構成と肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)の概念・理学療法ガイドブックについてご紹介いたします。

肩関節や肩関節周囲炎は諸説があります。(世界では年間でも多くの論文が更新されていくので確立出来ている部分といない部分があります。確立出来ていない部分を多くの研究者は論文にしています。そのため医療従事者は一般的に確立出来ているエビデンス理論と自分のアプローチ方法とで説明していきます。)

肩関節の構成は①肩甲上腕関節、⓶胸鎖関節、③肩鎖関節、④肩峰下関節、⑤肩甲胸郭関節⑥胸肋関節⑦肋椎関節と大きく7つの関節で構成されています。

肩関節周囲炎の概念は明らかな原因のない肩関節部の痛みと運動制限(拘縮)を指し、肩関節に炎症が生じる疾患の総称です。

年齢に関係なく広い範囲の「疼痛性疾患」と、「中高年に好発する疾患」とが含まれています。

後者は好発年齢が40~65歳でいわゆる「四十肩」、「五十肩」と言われています。

前者は整形外科的に広義において年齢に関係なく日常生活やスポーツ、仕事などにおいて生じてくる疾患で、以前は①烏口突起炎、⓶上腕二頭筋長頭筋炎腱炎、③肩峰下滑液包炎、④肩関節腱板炎(変性性、外傷性)⑤石灰沈着性腱炎、⑥疼痛性関節制動症、⑦肩関節拘縮などが生じる疾患として7分類にもされていました。

最近は性別・年齢や職業・スポーツなどの生活背景と共に、疼痛に応じ、肩関節を構成する各々の関節や靭帯、関節包、筋肉、姿勢・日常生活動作について個別の患者様の疼痛のそれぞれの原因を検討して治療していくというリハビリ中心の考えが主流になっています。

我々の理学療法士協会が出している「理学療法ハンドブック」https://www.japanpt.or.jp/about_pt/therapy/tools/handbook/

もありますのでご参考にしていただければと思います。

回復過程においては①炎症期・痙縮期、⓶拘縮期、③寛解期・回復期の病期に分けています。

①痙縮期は痛みのために自動運動が制限される時期です。

安静肢位をお伝えします。この時期はなるべく無理のない動きに努めましょう。無理して動かしてしまうと炎症が治まるばかりか、かえって悪化してしまいます。

②拘縮期は関節自体の拘縮が生じて他動運動が制限される時期です。肩甲帯の廃用性筋萎縮や上腕骨頭の骨萎縮もみられます。炎症により、組織に侵害が起きると関節や筋肉・関節包が短縮しやすくなります。拘縮予防につとめます。

③回復期は疼痛、関節可動域と共に改善する時期です。動ける範囲を増やしていきましょう。

予後は良好で1年程度で日常生活に支障がなくなる事が多いと言われています。安静から運動へ痛みのない範囲で動かしていきます。

藤本整形外科・循環器内科クリニックでは医師による診断・治療の後、リハビリをして頂きます。

ポイントは安静時の姿勢と運動の範囲の意識です。

肩関節周囲炎は(運動不足などの不動や年齢を重ねる事により生じてくる)筋力低下に加え、長らく続けていた姿勢と無理な動きが主な原因が多いです。

日常において肩甲帯の筋肉のアンバランスな姿勢の上におもいっきり無理な動きを長らく続けていくと駆使して疲労した関節の部分に炎症が生じてきます。

私のリハビリでは、リハビリの際に正しい姿勢と弱くなっている筋肉をお伝えします。

ご自宅でも(鏡を見て)姿勢を整えていきながら自主トレも少しずつ取り入れていきましょう。

リハビリをした後は動ける範囲が広がっていきます。

リハビリで動ける範囲が広がれば広がった範囲は少しずつ日常生活においても動く範囲を広げていきましょう。

次回は自主トレに関しての一般的な肩関節周囲炎の原因となる肩関節の筋肉と運動療法についてお話ししますね♪。理学療法士 興梠智子