サルコペニアのスクリーニング法
皆様こんにちは。西宮市、夙川グリーンプレイス、藤本整形外科循環器内科クリニック、理学療法士の泉本です。
日暮れの時間は早くなりましたが日中はまだまだ暑い日が続きますね。夏バテはしていませんでしょうか?
皆様は「サルコペニア」という言葉はご存知でしょうか?「サルコペニア」は日本語で加齢性筋肉減少症とか加齢性筋肉減弱症と訳されています。老化、経年変化に伴う身体活動の低下、低栄養に加えて生活習慣病、その他の疾患への罹患などが原因となって骨格筋量が減少している状態です。動くためのエネルギーを作る場所である筋肉が減少することで疲れやすくなったり、活動量の減少をきたします。さらに基礎疾患の悪化などそのまま体力低下が進行すると自立した生活や日常動作ができなくなり要介護状態に陥る恐れがある、という概念です。
ではどうやって筋肉が減っているか判断するかですが、サルコペニアの評価には骨格筋量(全身の筋肉の量)と運動機能(筋力や歩行速度)を組み合わせた基準が考案されています。
日本人を対象にしたサルコペニアの診断にはアジアの疫学データに基づいて行われます。しかし、歩行速度を測るのは一人でできないし、握力計を持っている方はごくわずかでしょう。ましてや筋肉量を測定する高価な機械は自宅にはありません。そんな時はとても簡単なスクリーニング方法があります。
準備する物は特にありません。下の写真のように
①両手の親指と人指し指で輪っかをつくります②利き足でない方のふくらはぎの最も太い部分を輪っかにした指で囲みます。親指は後ろ側になるようにして膝は90°直角とします。肌には直接触れてチェックしてみます③指輪っかで利き足でない方のふくらはぎの太さを「囲めない」「ちょうど囲める」「隙間ができる」の3段階で評価します。
結果として、ちょうど囲める程度でもサルコペニアのリスクがあります。また隙間ができるほどふくらはぎが細い場合はサルコペニアの新規発症リスクがあります。
夏は外気温が高すぎて身体を動かす機会が減少した方が多いと思われます。特に高齢な方にとって屋外は過酷な環境で運動不足に陥った方が多いと思います。屋内でも良いので身体を動かす機会を増やしていきましょう。