「筋膜」って何ですか?
皆様こんにちは。西宮市、夙川グリーンプレイス内、藤本整形外科循環器内科クリニック、理学療法士の泉本です。暑い日が続きますね。夏バテはしていないでしょうか。
皆様は「筋膜」という言葉を聞いたことはありますか?
「筋?」「膜?」、、「筋膜」は筋肉を包む膜というイメージは浮かぶでしょうか。「膜」とあるように筋膜は機能性インナーやウエットスーツのように全身を覆って身体を支える役割があります。「第二の骨格」と言われることもあります。筋膜はコラーゲンとエラスチンという2種類のタイプのタンパク質で構成されています。布ガーゼのように織り込まれた状態のものです。コラーゲンは強くて伸びも縮みもしにくいタンパク質です。一方、エラスチンはゴムのように伸縮性と復元性が高い性質です。両者を組み合わせて筋膜はヒトの身体の支持性と機能性を両立させています。
体幹部分で一番大切な筋膜は脊柱から背部に広がっている背部の「胸腰筋膜」です。ダイヤの形をしており、浅層と深層の2層からなります。その浅層は脊柱起立筋を覆い上部では上背部に広がる広背筋、下部ではお尻の部分である大殿筋とつながっています。広背筋は上肢を動かす筋肉で大殿筋は下肢を動かす筋肉です。浅層の胸腰筋膜の線維は斜めに交差するように走り、対角にある手足が連動して動きやすいようにサポートします。一方の深層は内腹斜筋、腹横筋とシームレスにつながりがあります。腰部は腹横筋と胸腰筋膜が連続性を保つことで胴体を一周するように一体化しています。
腹筋が弱く、お腹を前に出した不良姿勢が習慣化されると、筋膜の構成要素であるエラスチンの復元性は低下して胸腰筋膜が縮んで硬くなります。そうなると脊柱にかかる緊張が高まり腰椎の「反り返り」が強くなって腰部痛の原因にもなってしまいます。筋膜を意識したストレッチで手足の連携をスムーズにして、身体のケアをしていきましょう。具体的なストレッチ方法はまだ次回以降、紹介しようと思うのでよろしくお願いいたします。