心臓リハビリの効果について
皆様こんにちは。西宮市、夙川グリーンプレイス、藤本整形外科循環器内科クリニック、リハビリテーション室です。
当院では循環器での「心臓リハビリ」を3月から開始しています。しかし「心臓リハビリ」と聞いても具体的にどんな効果があるのか疑問に持つ方も多いのではないでしょうか。
心臓リハビリは心臓病または大血管、末梢血管疾患を含む循環器病によって低下した心機能や全身の機能を改善して、病気の再発を予防したり、生活の質(QOL)を改善したりするために行うものです。
心臓リハビリでは「適度な運動」、「食事内容」、皆さま自身に病気の理解を深めていただく「患者教育」の3つが柱となっており、患者さんにあったオーダーメイドのリハビリを進めていきます。

心臓リハビリは実施する時期によって「急性期」「回復期」「維持期」の3段階に分けられます。病気の発症後すぐや、術後1~2週間を「急性期」リハビリと呼び、、心臓の状態、程度を見ながら日常生活の回復を目指します。「回復期」リハビリは主に社会復帰や再発予防を目的として行われます。「維持期」リハビリは再発予防や生活の質の改善、生命予後の改善に有効であり生涯にわたって継続することが推奨されています。

当院は外来・通院での「心臓リハビリ」なので「回復期」、「維持期」の患者様が対象となってきます。
心臓リハビリは継続することで生命予後の改善が得られます。米国で行われた調査では心筋梗塞発症後、血管内治療と短期となる急性期心臓リハビリだけを行ったグループの生存率は、同年代の一般市民と比較して明らかに低い値でした。一方、6か月間の回復期心臓リハビリまで継続・実施したグループの生存率は同年代の一般市民と同等の値となりました。再発予防、生命予後の延長には「回復期」の心臓リハビリは有効です。
「維持期」にあたる慢性心不全では、以前まで「安静」が最重要とされてました。しかし、近年では安静により様々な弊害が生じることがわかりました。逆に状態に合わせた適度な運動を行うことで心機能が改善し、心不全症状の軽減、入院回数の減少、寿命の延伸に有効であることがわかってきました。
風邪や食事での塩分過多、ストレスなどちょっとしたきっかけで心臓病は悪化することもあります。また、再発を繰り返すことで少しずつ心機能が低下していきます。体のむくみや息切れ、疲労感などの心不全兆候をチェックしながら適度に運動を継続していくことは大切です。

心臓リハビリでの運動療法は運動能力の低い人やご高齢な患者さま、心臓の機能が衰えている人の方が、より効果が大きいこともわかっています。当院でも患者様に合わせてのリハビリテーションを実施していきます。心臓疾患の既往のある方、お悩みの方は一度ご相談くださいませ。よろしくお願い致します。