足部変形の影響
皆様、こんにちは。西宮市、夙川グリーンプレイス内、藤本整形外科循環器内科クリニック、理学療法士の泉本です。今週月曜日に雨が降ってから気温が下がりました。皆様、体調の変化はございませんか?
今日は足部の変形について当クリニックのスタッフを例に紹介したいと思います。下の写真では右足の母趾(親指)とその他の4趾(人差し、中、薬、小趾)の変形が見られると思います。こちらのスタッフは幼少期に高い所から落ちてケガをしたことが原因で長い期間を経て現在の状態に至りました。最近では通勤の歩行中に、以前は感じなかった右のふくらはぎや右の殿部の「痛み」や「だるさ」が出てきています。
母趾は外側へ向き、他の4趾とともに握り込むような形となっています。そして足趾の変形に加え、右足の土踏まずは反対側左足の土踏まずに比べて高くなっています(凹足、ハイアーチ、甲高などといいます)。足裏から見た右足底面にはしわが多数入っているような状態です。
※「凸足(おうそく)」はハイヒールなど踵が高い靴を履き続けると起こりやすい足部の変形です。重心が足の指先等の前足部に集中してしまい、足の裏の筋肉やすねの筋肉のバランスが崩れ変形をきたします。
このスタッフはハイヒールを履いてきたわけではないですが結果的に足部内側の土踏まずは高くなってしまい、足趾が握り込むような形となりました。ちなみに母趾も外反母趾様となっています。
※外反母趾はより近位(足首に近い)の第1中足指節関節での変形が好発部位です。写真ではやや遠位(足首から遠い)の第1指節間関節での変形となっています)。
足趾の変形をきたしていることで足底面の接地面積が狭くなり、ただでさえ不安定になることは想像できます。そして足趾の長さが短くなっていることにより、歩行中は床面に対する蹴り出しが不十分となってしまいます。ふくらはぎや殿部が痛くなるのは十分でない蹴り出しを補完する為に過剰な筋活動が起こっているのではないかと推察されます。また、土踏まずが高くなると小趾側へ荷重が偏ってしまい、タコができたりする可能性もあります。ハイアーチになると解剖学的に足底に位置する足底腱膜の緊張も強くなってしまいます。そうなると接地の瞬間に十分な緩衝作用も得られず足底面自体から疼痛を感じることもあります。
このように足部の変形から疼痛が生じ、動作にも影響していきます。
皆様も少し靴擦れが起きるだけでも歩くことが嫌になった経験をしたことありませんか?歩いている時にはあまり足のことを注意していませんが、痛みがあると心理的はとても憂鬱になり長い距離は歩けません。
当院では足部変形に起因する痛みに対し足底板(靴の中敷きやインソールと言います)の作成も対応しています。外反母趾、扁平足、凹足などでの足部の痛み、不調が気になる方は一度ご相談下さい。対応させて頂きます。