内科
内科について
内科では、せき、たん、喉の痛み、発熱、腹痛、下痢、吐き気などの急性症状から、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病をはじめとする慢性疾患まで、幅広く対応いたします。急な体調不良や日常的に起こる症状の診察・検査などに応じますので、はっきりとした症状が出ている時はもちろんのこと、「調子が悪いのだけれど、何科を受診したらいいのかわからない」というような曖昧な場合も、まずは当科をご受診ください。
その他当クリニックで扱う主な疾患・症状など
- 生活習慣病
- 糖尿病
- 禁煙外来
- 肺気腫
- 気管支喘息
- 感冒
- 尿路感染症
- 胃腸炎
- めまい
- 下痢
- 喘息
- 肺気腫
- 風邪
- 膀胱炎
- 不眠症
生活習慣病
生活習慣病は、過食や偏食、運動不足、喫煙・多量の飲酒、過剰なストレスなど、長期に渡る不摂生な生活習慣がきっかけとなって引き起こされる病気のことを総称した呼び名になります。
代表的な生活習慣病としては、糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症(痛風)がありますが、これらはいずれも自覚症状が現れにくいという特徴があります。そのため病状を進行させやすくなるわけですが、放置が続けばこれら疾患によって常に血管は損傷を受け続け、動脈硬化を引き起こすようになります。動脈硬化になると、血管は柔軟性を欠き、内部は脆くなるなどして血流が悪化、詰まるなどし、さらに放置が続くと合併症(ある病気に伴って起きる別の病気)として、脳血管障害(脳梗塞、脳出血 など)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、閉塞性動脈硬化症など、重篤な疾患を発症することもあります。
このような状態にならないためには、早期発見・早期治療が重要なわけですが、生活習慣病は発症に気づきにくい病気です。そのため早めに気づくためには、定期的に健康診断を受診して、生活習慣病に関連する数値(血圧、血糖値、コレステロール値)をチェックする、メタボリックシンドロームの検査を受けるなどして、生活習慣病や重篤な病気を発症する可能性を常に確認していく必要があります。
メタボリックシンドローム
メタボリックシンドローム(通称:メタボ)は生活習慣病に罹患しているというわけではありませんが、内臓脂肪型肥満のある方で、血液中に含まれる脂質や血糖、あるいは血圧の数値がやや高めという場合でも重篤な合併症(脳血管障害、心筋梗塞 など)を発症するリスクが高いとされているもので、メタボと判定されると生活習慣病の患者様や生活習慣病予備群という方と同等の予防や治療対策が必要となります。メタボの診断基準については以下の通りです。
必須項目 | ウエスト周囲径 (内蔵脂肪蓄積) |
男性 85cm 以上 女性 90cm 以上 | |
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選択項目 | 1 | 中性脂肪値・HDLコレステロール値 | 中性脂肪値 150mg/dl 以上 かつ、または HDLコレステロール値 40mg/dl 未満 |
2 | 血圧 | 収縮期血圧 130mmHg以上 かつ、または 拡張期血圧 85mmHg以上 |
|
3 | 空腹時血糖 | 110mg/dl 以上 |
※選択項目は3項目のうち2項目以上に該当
糖尿病
血液の中にはブドウ糖が含まれているのですが、この濃度のことを血糖値と言います。この血糖値が基準とされる数値よりも慢性的に高い状態にあるという場合に糖尿病と診断されます。
そもそも血糖値は健康であっても食事をすることで上昇します。しかし、膵臓で作成されるホルモンの一種インスリンの分泌によって、再び血糖値はバランスのとれた状態に戻るようになります。血液中のブドウ糖は、細胞に取り込まれることで脳や体のエネルギー源となっていくのですが、それを可能にしているのがインスリンです。このインスリンが何らかの原因で不足、分泌しない、効きが悪いといったことになると血糖値は上昇するようになるのです。つまりインスリンが作用しない状態が糖尿病なわけです。
1型糖尿病と2型糖尿病
インスリンが正常な働きをしないケースというのは大きく2つあると言われています。ひとつは1型糖尿病です。これはインスリンがつくられる膵臓のβ細胞が主に自己免疫反応によって破壊されてしまうことでインスリンが全く分泌されていない状態を言います。子どもから若い世代の方に発症しやすいのも特徴です。この場合、急激に血糖値が上昇することもあるので、異常なのどの渇き、多尿・頻尿、全身の倦怠感、急激な体重減少などの症状が現れることもありますので、これらの症状がみられたら速やかにご受診ください。
もうひとつのタイプである2型糖尿病は、日本人の全糖尿病患者の95%程度を占めるというもので、遺伝的要因、長年の不摂生(偏食・過食、運動不足、喫煙・多量の飲酒、過剰なストレス など)などが引き金となるとされ、これらによって肝臓が疲弊し、インスリンの分泌不足、量が十分でも効きが悪いといった状態を招くようになって、血糖値が上昇するようになると言われているものです。なお2型糖尿病の場合は、発症しても自覚症状がすぐに出ることはないので、病状を進行させやすいのも特徴です。1型糖尿病でみられる自覚症状が出ている場合は、かなり進行した状態と言えます。
なお上記のタイプ以外にも、他の病気や薬剤(ステロイド)の使用など原因がはっきり特定できる二次性糖尿病、高血糖状態になりやすい妊婦による妊娠糖尿病というのもあります(妊娠前からの糖尿病患者様は、糖尿病合併妊娠に要注意)。
合併症に注意
先にも述べたように糖尿病は自覚症状が起きにくいので、病状を進行させやすいです。ただ何の症状がなくても血管内は着実にダメージを受け続けています。そのため放置が過ぎれば、重篤な合併症を招くようになるのですが、その時点で糖尿病の発症に気づいたという患者様も少なくありません。
血中でブドウ糖が必要以上に増えると血管が損傷されていくわけですが、とくに細小血管が集中している網膜、腎臓、末梢神経は障害が起きやすく、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害は糖尿病三大合併症と言われています。この状態を放置すれば、網膜症では失明、腎症では透析、神経障害では足が壊疽して切断といった事態も招きかねません。また動脈にしても、動脈硬化を招いて、脳梗塞や虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞 など)といった重篤な合併症を発症させることもあります。
検査について
糖尿病が疑われる場合によく用いられるのが血液検査で、主に血糖値とHbA1c(過去1~2ヵ月間の血糖値の平均血糖値)の数値を確認することで判定します。診断基準については以下の通りです。
※検査の結果、①と②ともに上記の数値を上回っていると糖尿病と判定。①と②のどちらかが数値を超えていると「糖尿病型」と判定し、再検査。なお再検査でも同様の結果だった場合は、糖尿病と診断
治療について
治療に関しましては1型と2型で多少異なります。1型糖尿病の場合は、インスリンがほぼ分泌されていない状態ですので、体外からインスリンを補充していくインスリン療法(インスリン注射)となります。この場合、1日4回程度の注射や 24時間持続型注射などが必要なので、ご自身で打つことになります。インスリンの量や食事の時間や食べた量などによって低血糖状態を起こすこともあるので、厳格な血糖測定と管理が必要となります。
2型糖尿病の治療
2型糖尿病は、インスリンが少しは分泌されている状態ですので、生活習慣の改善から行っていきます。その内容は主に食事療法と運動療法です。食事療法では、患者様のライフスタイルに合わせ、適正カロリーの消費、栄養バランスがとれた食事などを医師が指導していきます。また、血糖値を下げるには運動が効果的です。ただその内容にハードな量は必要ありません。1回30分程度の散歩や軽いジョギングなどが、日常生活のルーティンになるようにしていきます。このほか生活のリズムを整えるアドバイスなどもしていきます。
生活習慣の見直しだけでは、血糖値のコントロールが難しいという場合に併行して薬物療法も取り入れます。この場合、経口血糖降下薬が医師より処方されますが、その種類は主に7つあるとされ、患者様によっては複数の薬を用いることもあります。
7種類の経口血糖降下薬
- DPP-4阻害薬
- ビグアナイド薬
- SGLT2阻害薬
- スルホニル尿素(SU)薬
- 速効型インスリン分泌促進薬
- α-グルコシダーゼ阻害薬
- チアゾリジン薬
なお、生活習慣の改善(食事療法、運動療法)や薬物療法(経口血糖降下薬)をしても血糖値がなかなか下がらないという場合は、1型糖尿病と同じようにインスリン療法となります。
高血圧
血圧が基準とされる数値よりも慢性的に高い状態になっている場合を高血圧と言います。ちなみに高血圧は、自覚症状が出にくいこともあるので、これまで治療をしたことがないといった方も含めると日本人の 3人に 1人の割合で発症しているのではないかと言われています。
なお高血圧と診断される基準ですが、これは外来時での血圧測定で収縮期血圧(最高血圧)が 140mmHg 以上、または拡張期血圧(最低血圧)が 90mmHg 以上の場合を言います(家庭で血圧を測定する場合は、収縮期血圧が 135mmHg 以上、または拡張期血圧が 85mmHg以上)。
先にも述べましたが、高血圧を発症しても症状が現れることがほぼないので、多くは病状を進行させるようになります。血圧が高いままだと、心臓から血液を送る際に余分な負荷をかけて送り続けるようになります。そして血管は、その圧に耐えられるように硬直化していきます。それでも何の治療もしなければ、やがて動脈硬化となって、血管自体を脆くさせ、これによって血流が悪くなったり、血管が詰まるようになると、脳血管障害(脳梗塞、脳出血 など)、心筋梗塞や心不全といった心臓病、腎不全などの重篤な合併症を引き起こすようになります。このようなことにならないよう、症状に気づかなくても日頃から血圧を測定し、診断基準を超えたという場合は一度ご受診ください。
本態性高血圧と二次性高血圧
発症の原因については、大きく2つあるとされています。ひとつは日本人の全高血圧患者様の8~9割程度を占める本態性高血圧で、これは原因が特定できない高血圧ですが、遺伝的要因や高血圧になりやすい体質、さらに日頃からの生活の乱れ(過食、食事での塩分の過剰摂取、運動不足、喫煙・多量の飲酒、過剰なストレス 等)などによって引き起こされるのではないかと考えられています。
もうひとつが二次性高血圧で、これは原因がはっきりしている高血圧です。具体的には、病気(腎実質性高血圧、原発性アルドステロン症、)や薬剤などが引き金となって、発症している場合を言います。また、この二次性高血圧は原因疾患を治療する、薬剤の投与を止めるなどすると血圧が改善することもあります。
治療について
治療の目的は血圧をコントロールし、重篤な合併症を防ぐことにあります。そのためには、まず日常生活を見直していきます。食事面で気をつけるのは塩分の摂取量です。日本人は1日平均で 11~12g を摂取するとされていますが、これを半分の 6g 程度にします。薄味に慣れるのは大変ですが、味付けを工夫するなどして慣れるようにします。またカリウムが含まれる野菜や果物を摂取し、利尿作用を利用して体内の塩分を排出する、たんぱく質をとる場合は肉よりも魚にします。このほか肥満の方は、心臓の負担を減らすためにも減量に努めるようにしてください。
また適度な運動をすることは血圧を下げるのに効果的とされているので、日常生活に取り入れるようにします。具体的には息が弾む程度の有酸素運動(ウォーキングなら1回30分程度)と言われています。なお、激しい運動や無酸素運動のしすぎは、却って血圧を上昇させてしまいます。そのため運動内容については、始める前に医師にご相談ください。このほか、禁煙や節酒に努め、睡眠や休養もしっかりとるようにしてください。
上記のような日常生活の改善だけでは血圧を下げるのが困難という場合は、併行して薬物療法を行っていきます。使用される治療薬は、ARB、ACE阻害薬、カルシウム拮抗薬、利尿薬、β遮断薬で、患者様の症状によって、これらのうちの1つの場合もあれば、複数処方されることもあります。
脂質異常症
血液中には脂質が含まれています(血中脂質)。そのうちLDL(悪玉)コレステロールやトリグリセライド(中性脂肪)が過剰な状態にある(高脂血症)、もしくはHDL(善玉)コレステロールが少ない状態にあるという場合、脂質異常症と診断されます。
脂質異常症も他の生活習慣病と同様に自覚症状が現れにくく、定期的に行う健康診断での血液検査(空腹時採血)によって発症に気づくという患者様も少なくありません。なお診断基準に関しましては以下の通りとなります。
- LDLコレステロール値≧ 140mg/dL(高LDLコレステロール血症)
- 中性脂肪≧ 150mg/dL(高トリグリセライド血症)
- HDLコレステロール値< 40mg/dL(低HDLコレステロール血症)
合併症の発症に注意
コレステロールは細胞膜を構成する成分のひとつで、ホルモンや胆汁酸などの原材料になるものです。また中性脂肪は糖質が不足している場合に身体を動かすエネルギー源となったり、体温を一定に維持していくという働きをします。このように体に不可欠なものでもあるわけですが、これらが血液中で過剰(とくに LDLコレステロール)になると、血管内で蓄積するようになります。自覚症状がみられることはないので多くは進行させてしまうわけですが、やがて動脈硬化を招き、さらに血管内の血流を悪くさせる、詰まらせるなどすると、脳血管障害(脳梗塞)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、閉塞性動脈硬化症などの合併症を発症させるようになります。
治療について
脂質異常症は、主に3つの種類(高LDLコレステロール血症、高トリグリセライド血症、低HDLコレステロール血症)に分けられます。ただ、どのタイプであったとしてもLDLコレステロールの数値を下げることが治療の目的となります。こうすることで、中性脂肪やHDLコレステロールの数値も正常に近づくようになると言われているからです。
この場合も生活習慣の改善として食事面から見直していきます。例えば、高LDLコレステロール血症の方であれば、コレステロールを多く含む食品、卵黄、レバー、魚卵、乳製品、イカ、タコ、肉の脂身などを避けるほか、油を多く使用している料理なども控えます。また食物繊維を多く含む食品(きのこ、海藻、野菜 など)、大豆製品、肉をとる場合は鳥のささみを積極的にとるようにします。一方、高トリグリセライド血症の患者様は、お菓子や糖分を多く含むジュース類、アルコールなどの糖質はできるだけ避けてください。さらに低HDLコレステロール血症の患者様は、トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニング)の過剰摂取に注意します。ちなみに喫煙をされている方は禁煙を実践してください。
このほか、継続的な運動はHDLコレステロールを増やすのに効果があるとされているので、取り入れるようにします。内容としては息が上がる程度の有酸素運動で、ウォーキングなら1回30分程度で充分ですが、できるだけ毎日行うようにしてください。
なお生活習慣の見直しだけではLDLコレステロールの数値が目的の値まで下がらない場合は、薬物療法も行っていきます。LDLコレステロールの数値を下げる薬として、多くはスタチン系の薬剤が用いられます。
高尿酸血症(痛風)
血液中には尿酸が含まれており、尿酸の濃度のことを尿酸値と言います。この尿酸値が7.0mg/dlを超えていると高尿酸血症と診断されます。尿酸値は血液検査によって測定できます。
この尿酸は水に溶けにくい性質で、血液中で必要以上に尿酸が増えると針状の結晶を伴う尿酸塩となって、体の至るところで発生するようになるのですが、これが関節付近(足の親指の付け根近く)に留まると炎症と激しい痛みが伴う発作(痛風発作)が起きるようになります。これを痛風と言います。
痛風は高尿酸血症(尿酸値 7.0mg/dl 以上)と診断されているのであれば、いつ発症してもおかしくない状態でもあります。ただ発作が起きなかったとしても、放置を続けると痛風結節、尿路結石、腎臓の障害などの合併症が起きるようになりますので、早めに治療を行うようにしてください。
なお高尿酸血症となる尿酸が増える原因としては、体内で尿酸が多く産生される、尿酸の排泄が悪いといったことが考えられます。前者は、尿酸の原料となるプリン体を多く含む食品(レバー、魚卵、イワシ、カツオ、大正エビ、干椎茸 など)の過剰摂取、大量の飲酒(尿酸値を上昇させる)、先天性の代謝異常、造血器疾患の影響が、後者では、遺伝的要因、腎機能低下、無酸素運動のやりすぎ、脱水などが挙げられます。また人によっては、前者と後者の両方が原因となることもあります。また肥満は尿酸値上昇との関連性が指摘されているので、減量をしていくようにしてください。
治療について
治療は主に痛風による症状(痛風発作)を抑える治療と尿酸値を下げる治療の2通りがあります。
前者の場合は、主に痛風発作による痛みと炎症を抑える薬物治療になります。この場合は、コルヒチン、NSAIDs、ステロイド薬といったものを使用していきます。そして痛風発作(痛みや炎症)が完全に治まってから尿酸値を下げる治療が行われます。
尿酸値を下げる治療も薬物療法がメインとなります。主に尿酸の生成を減らす働きがある薬、尿酸の排泄を促進させる薬が用いられます。また、これに併せて日頃の生活習慣も見直します。具体的には尿酸値を上昇させる肥満(過食)やアルコールの飲み過ぎに注意する。尿酸値を下げる効果がある運動として、息が上がる程度の有酸素運動(継続的に1回30分程度のウォーキング など)をしていく、また毎日水を2ℓ以上飲んで尿酸を排出しやすくするなどです。
禁煙外来
禁煙外来は、喫煙をしている方でタバコを止めたい方を対象としています。禁煙治療を行う際は、これまでの喫煙歴をお聞きし、把握したうえで、禁煙補助薬を処方いたします。処方後は経過を観察していき、生活指導を含めたアドバイスも適宜おこなっていきます。
喫煙習慣は、一種の薬物依存でもあります。タバコにはニコチンの作用がもたらす脳や、身体への快感による身体的依存だけでなく、ホッとする、スッキリするといった心理的依存も重なっていることが多いです。そのため、禁煙をすることは容易ではありません。
禁煙外来では、医師のアドバイスと併せて禁煙補助薬を処方いたします。今度こそ禁煙を実現したいと考えている愛煙家の皆さま、当クリニックでその願いを実現してみませんか。
禁煙治療薬について
禁煙外来で処方される禁煙補助薬は、ニコチンを含まない補助薬とニコチンを補給して徐々にフェイドアウトしてく禁煙補助薬に分類されます。主な薬の種類は以下の通りです。
ニコチンを含まない禁煙補助薬
バレニクリン酒医酸塩が主成分の飲み薬(チャンピックス)は、「ニコチン切れ症状」(イライラ感や焦燥感など)を軽減するほか、タバコをおいしく感じにくくします。禁煙開始予定日の 1週間前から服用し始めます(1日2回食後にコップ1杯程度の水またはぬるま湯で服用)。飲み始めの1週間はタバコを吸いながら服用し、8日目に禁煙を始めます(タバコを自然に吸わなくなったような場合は、8日目を待たず、早めに禁煙に入ります)。服用期間は通常、合計 12週間です。途中で服用をやめたりせず、医師の指示どおりに服用を続けてください。
ニコチンを補給する禁煙補助薬
禁煙外来治療
当クリニックでは、禁煙治療が必要な患者様には、バレニクリン酒石酸塩錠(チャンピックス)又は、ニコチンパッチ(ニコチネルTTS)を処方いたします。この場合の治療期間は12週間で、その間に5回の通院が必要となります。
ニコチンパッチ・チャンピックス錠 | 治療内容 |
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治療前の問診・診療 | 禁煙治療のための条件の確認 |
初回診療 |
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再診1(2週間後) | |
再診2(4週間後) | |
再診3(8週間後) | |
再診4(12週間後) |
治療をするにあたっては、まず問診やカウンセリングを行います。その際に喫煙状況を聞き、禁煙の意志の確認をしてから治療法の説明をし、続いて呼気に含まれるタバコの有害物質や一酸化炭素の濃度を測定します。その後は患者様に禁煙宣言をしていただき、ライフスタイルに合わせて、バレニクリン酒石酸塩錠又はニコチンパッチを処方していきます。
服用方法は医師の指示に必ず従ってください。なおバレニクリン酒石酸塩錠(チャンピックス) については、禁煙を実践する日の1週間前から服用していきます。その量は増えていき、禁煙日(服用開始2週目)から治療を終える12週目までは一定の量を飲み続けます(1mgの錠剤を朝夕 1日 2回)。先にも述べたように禁煙治療中は5回の通院が必要になりますが、その間隔は初回と 2回目、2回目と 3回目の間は 2週間程度、3回目と 4回目、4回目と 5回目(最終回)の間は 4週間程度空けるようにします。通院時は、呼気中に含まれる一酸化炭素濃度測定を毎回行うほか、改善の程度を調べる、現在の体の状態を報告するほか、医師からアドバイスを受けることができます。
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初回診療服薬開始
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8日後8日目
禁煙開始(内服) -
2週間後再診①
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4週間後再診②
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8週間後再診③
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12週間後最終通院
GOAL 必要に応じて延長投与
ちなみにバレニクリン酒石酸塩錠(チャンピックス)は、ニコチンほどではないですが、ドーパミンを少量放出させる効果があるので、ニコチン切れによるイライラ感を軽減させるほか、タバコを吸ってもおいしいという感覚を乏しくさせます。これによって、服用から1週間を待たず喫煙を始めたという方もいます。なお自己判断で禁煙はできたとして、服用を止めることはしないでください。必ず12週目まで服用し続けるようにしてください。
服用による副作用ですが、現在までに報告されている症状は、吐き気、不眠症、頭痛、便秘、腹痛、腹部のハリなどです。この場合は、使用を直ちに止めて、速やかに医師へご相談ください。また、うつの症状があるという場合は、同症状をさらに悪化させやすくなるので、服用そのものを行いません。
健康保険が適用される禁煙治療
なお禁煙治療に関しましては、ある条件を満たすと健康保険が適用されます。満たすか否かは初回の診察時に医師が判断しますが、その条件とは次の通りです。保険適用外と診断されても全額自己負担とはなりますが、治療そのものは受けられます。
- ニコチン依存症を診断するテスト(TDS:Tobacco Dependence Screener)で5点以上
- 1日の平均的な喫煙本数×喫煙年数が 200 以上
- 今すぐにでも禁煙したいと考えている
- 文書にて禁煙治療を受けることに同意している
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が一時的に停止したり、低呼吸に陥ったりする疾患です。肥満の方によく見られますが、その他にも、喉や顎の骨格的な形状などが関与して起こることがあります。中等症以上の状態を長期間にわたって放置していると死亡率のリスクが高くなると報告されているため、軽視できません。但し、きちんと治療すれば健常人とほとんど生存率は変わらないと考えられています。
睡眠時無呼吸症候群の診断
睡眠時無呼吸症候群の診断は、まず問診で自覚症状や日頃の睡眠状況をお聞きすることから始まります。いびきがうるさい、日中の眠気がある、朝起きると体が思い、といった症状が強まったときは睡眠時無呼吸症候群が疑われます。倦怠感、熟睡感が無い、起床時の頭痛、ED(勃起不全)、夜中に何回もトイレに行く、集中力や記憶力の低下などが見られることもあります。睡眠中や日中の気になる症状がありましたら、お早めにご相談ください。
簡易検査でチェックしましょう
上記のような症状に心当たりのある患者様には、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査をお勧めしております。お貸し出しした専用機器を使って、ご自宅で検査を行っていただき、当クリニックで解析いたします。睡眠時無呼吸症候群の診断、および症状の程度を測定するための検査です。口と鼻に呼吸センサーを、指に血中酸素濃度を調べるセンサーを取り付けて一晩就寝していただき、時間当たりに 10秒以上の無呼吸・低呼吸が何回生じるか、また同時に血中酸素濃度の低下が起こっているかどうかを調べます。
睡眠時無呼吸症候群の治療法
具体的な治療法は、睡眠時無呼吸症候群を招いている原因、患者様個々の状態に応じて選択します。比較的に軽症の患者様ならば、マウスピースを使用します。気道を広く確保するために下あごを上あごよりも前に出るように固定します。専用のマウスピースなので、製作する際には専門の歯科医をご紹介いたします。
ある程度進行している患者様の場合は、CPAP 療法による治療を行います。鼻に装着したマスクから圧力を加えた空気を送り込むことによって、ある一定の圧力を気道にかけ、気道の閉塞を取り除きます。とても有効な治療法であり、当クリニックでも、積極的に行っています。
さらに、生活習慣も改善していきます。肥満の方は、減量のために適度な運動を心がけ、食事も腹八分目にしましょう。お酒を飲まれる方は、せめて寝酒はやめましょう。お酒は筋肉を弛緩させるため、気道の閉塞をさらに悪化させる可能性があるからです。また、睡眠薬などの中には睡眠時無呼吸症候群の症状を悪化させるものもありますので、担当医の指示に従って服用するようにして下さい。